一昨夕、昨年10月より一人暮らしを始めた娘が帰っていた。 青山を落とし、関西の某私立大学へ進学した娘は、自宅通学が可能にもかかわらず、 父の頑なな反対を押し切り家を出た。 昨日の父の誕生日前に帰ってくるところを見ると、 特異日の波乱含みの序章とも思え、背筋がつぅっと冷たくなる。 もちろんそんなことは娘は知るよしもない。 娘からSDカードを「人数焼きし」と渡された。 いやな予感はほぼ予想通りに走り出したわけだ。
昨日、1000枚近い娘の写真をプリントし、やれやれと気の抜けた所へ、 うっとうしいカメラマンが特殊な注文を当然の如く安価ですぐしろとやってくる。 妙に暇なあんぶらのややこしい館長が寂しそうにうろつき始める。 「ぉお神よ」と呟きながらも静かにやり過ごせたのは、神のみ心に違いない。 貯まっていたカメラマンからの売掛金も支払いを受けた。 時間通りに閉店し、さっさっと帰ろうと思ったが、 少し時間をつぶすことにする。 気の利いた時間のつぶし方も知らずマックで新田次郎を涙を潤ませながら読み、浮世を忘れることに勤める。 適度な時間に帰宅、家は寒々と誰もいない。 ひょっとしたら何事もなく過ぎるやも。 湯を入れ風呂につかり、ひげをあたる。 もうすっかり夜がふけ、だんだんと心が弛緩する。 卵がけご飯を味わい眠りに就いた。
今朝、5:30携帯がメールの到着を知らせた。 そう、鳥と店長が活動を開始するその頃に、、、 朝のおぼろげな思考でも、神からの贈り物だと久しぶりに相好が崩れるのを感じた。
数十年来、まあマシなバースデイを過ごせた。 人生が降下速度を緩め、ゆっくりと最低点を通過した。
さて、半世紀を振り返ろうか!
ほんだらまた
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